MPSロゴ PC-286C用拡張音源モジュール「OPN3 CLUB」設置方法 トップページに戻る
「OPN3 CLUB」とは、PC-286C(PC CLUB)のFM音源を1つしかない拡張スロットを使用せずPC-9801-86互換(OPN3 ただしPCM部は無し)に
する追加モジュールです。拡張スロットに挿したら終わりという他のFM音源ボードとは違い、難易度は高くないもののハンダ作業を
必要とします。またメインボードにハンダゴテを入れるため大切なPC-286Cを起動不可能にする可能性もゼロとはいえません

序盤のPC-286C分解作業も含め作業を完遂する自信のない方は、素直に内蔵音源でゲームをプレイするか、内蔵音源を無効にして
拡張スロットに別途FM音源ボードを挿すことをお勧めします

このアドオンモジュールを使用したことによる損害に対する責任は基本的に負わないこととします
事前動作確認はしてありますが、PC-286Cへのモジュール設置は自己責任でお願いします

必要な工具
・ドライバー(一般的な径のもので大丈夫だと思います)
・ラジオペンチ(同上)
・ピンセット(同上)
・ニッパー(金属用)
・ハンダゴテ(30Wくらいのもの)
・半田吸取り線と吸取り器(手動のスッポンのもので大丈夫)
・糸はんだ
・FFCを固定するテープ(あると嬉しい)
・必要に応じて静電気防止手袋
・外したネジ・金具類を一時収納する入れ物
・「どうしてもPC-286CでFM6音鳴らしたい」というやる気(とても重要)

PC-286Cの分解


手順としては

カバーを開ける→
フロッピードライブのフィルムケーブルを取り外す→
フロッピードライブを止めているツメを押し込んでスライドさせドライブを取り外す(取り外さなくてもいいかも)
スピーカーの赤黒ケーブルを取り外す→
キーボードを止めているツメを持ち上げキーボードを浮かせる→
キーボードのフィルムケーブルを取り外す→
キーボードを取り外して邪魔にならないところに置いておく(フィルムケーブルを圧迫しないように裏返して置く)→
黒い固定用プッシュ?3つを引き上げ、メインボードを保護しているプラスチックカバーを取り外す

これでメインボードが露出します

簡易的な文字情報だけだと分かりにくいので、PC-286Cの分解手順は外部サイトですがこちらのサイトをご覧ください

引き続きメインボードを取り外します。まずCバスのガイドレールの役目をする白いプラスチックカバーを外します
通常引っ張っても固定ツメがあり外れないので、Cバスボード挿入口から指を入れ内側からツメをずらしてカバーを
引き上げることで外れると思います。その後電源コネクタと6本のネジがあるはずなのですべて外して持ち上げます
この辺も詳しい分解手順は上記サイトをご覧ください

※電源部分は取り外さなくても大丈夫です(別途コンデンサを交換したい場合は別)

取り外したメインボードから、背面I/Oコネクタを固定する金属ステーを取り外します



基板面は赤い矢印が振ってあるネジを


背面I/Oコネクタ面は全てのネジをドライバーやラジオペンチを使用して取り外します




取り外したネジ類は無くさないように、ビニール小袋やプラスチックケースに入れておきましょう
ちなみにネジの長さなどの差異はないのでゴチャ混ぜで大丈夫です、取り付けるときに分かります



アナログ小基板部分の取付け

イヤホンジャックとフェライトコア(下にある黒くて円筒状の物)を取り外します


赤い楕円で囲った部分と矢印の部分のハンダを半田吸取り器で吸引します。残った微量のハンダは
吸取り線を使い吸引し、基板に端子類がくっついていないか確認ののちコネクタを取り外します


イヤホンジャック側のスルーホールは比較的大きめなので吸引は楽だと思います。フェライトコア側はパターンを切らないように
注意。まぁ万が一切ったところで起動しなくなるわけではなく、元のYM2203C FM音源が鳴らなくなるだけなんですが




取り外したイヤホンジャックとフェライトコア。フェライトコアは後程使用しますが、イヤホンジャックはモノラル仕様のため
使い道が無いので、のちに原状回復などを考えていない場合は処分してもらっても結構です


アナログ小基板を用意し、先ほど取り外したフェライトコアを小基板の「FB1」に取り付けます(方向は無し)
元のYM2203C音源チップを使用しない場合はこの作業は不要です


先ほど部品を取り外したスルーホールにアナログ小基板を差し込みます。イヤホンジャックに固定リングが
付いている場合はついでに取り外しておきます


注意:この時点では小基板端子のハンダ付けはしないでください、差し込むだけです

作業序盤で取り外した金属ステーをこの段階で取り付けます。仮取付ではなく完全に取りつけてしまって大丈夫です
その際上記でハンダづけされてないイヤホンジャックをステーの穴に合わせて固定リングをしっかり取り付けます


小基板を固定するために矢印の3か所をハンダ付けします。金属ステー下の部分はハンダづけしにくいですが
コテ先と糸はんだを斜めに差し込んであげればハンダ付けできると思います
(最初のハンダ吸取り作業はこういうことが物理的にできないので、金属ステーを取り外す必要があるのです)

画像ではすでに切ってありますが、収まりきらなかった端子が基板からハミだすので
短絡防止のためにニッパーで適度な長さに切りそろえる必要があります


FM音源部分の取付け

FM音源基板を用意します


PC-286Cメインボード裏側、Cバスコネクタ ハンダ面にFM音源基板を取り付けます
物理的に逆には取り付けられないとは思いますが、取付方向は画像を参考にしてください


Cバスコネクタ ハンダ面のハンダ付けの手間を極力減らすため、使用しない信号線の無機能穴化とスルーホールを通常より
大きくして元端子のハンダを除去しなくても基板がピタッと張り付くように設計してあります。ハンダを盛る際には元端子の
ハンダを溶かして接着する意味も含めて、通常より少し多めのハンダと長めの加熱時間を設けるようにしてください

完成後にFM音源チップを認識しない場合はハンダ&加熱不足による接触不良です


この先は必須の作業ではないですが、やると少しだけFM音源周りの利便性が上がります

FM音源基板の端にポツンと空いた1つの穴と、PC-286Cのメインボードの特定のピンの間を付属の線で配線すると
内蔵FM音源(YM2203C)と拡張FM音源(YMF288)をPC-286Cの「システムセットアップ」で動的に切り替えることができます
「共存」ではなく「切替」です、同時使用はできません


内蔵FM音源が有効の時は拡張FM音源が無効になり、内蔵FM音源が無効の時は拡張FM音源が有効になります
配線しない場合はは自前でそれぞれの無効・有効設定をする必要があります(拡張FM音源の無効・有効作業は面倒くさい)

用途としては拡張FM音源はサウンドBIOSを持たないので、サウンドBIOSを必要とする一部ゲームに対応させるため
切り替えるという想定です。こういうゲームは大体YM2203相当しか使っていないのでおそらく問題ないでしょう

内蔵FM音源と拡張FM音源両方を無効にしたい場合は、システムセットアップによる内蔵FM音源の無効化と
拡張FM音源側のアナログ小基板にある音源切り替えスイッチ(後述)を操作するという形になります


PC-286C側の配線ポイントは画像を参考にしてください(C172チップコンデンサの右下あたり)


FM音源基板とアナログ小基板を付属のFFCで接続します。ケーブル取り回しの方法は色々とあると思うので
各自で試行錯誤をしてみてください。FFCコネクタへの接続向きは「青い面」が上側です

ちなみにFFCで伸ばしているのはアナログ音声信号ですが、データバスなどのデジタル信号だと少なくともケーブルを
取りまわすのに300㎜は必要なので、ノイズ問題や信号衰退があり現実的ではないんですよね


PC-286CのFM音源を内蔵・拡張共々無効にしたい場合は、アナログ小基板にあるスイッチを操作してください
あまり強度的に強いスイッチではないので、頻繁なON・OFF操作はわりと容易に破損の原因になります

スイッチを外部から操作する方法がない故に、音源を無効にするためだけにPC-286Cをほぼ全分解が必要という
非常に面倒くさい方法になっております。音源を完全に無効にする機会はあまりないとは思いますが
もう少し操作性が良い方法がありましたら教えてください(筐体加工以外)


おまけ:OPN3 CLUBの色々な仕様


①オペアンプ:2回路汎用オペアンプNJM4558M
②D/Aコンバータ:16bit 2chDAコンバーターPT8211
③CPLD:ATMEL ATF1502AS
④バストランシーバー:SN74LS245DB
⑤FM音源チップ:ヤマハYMF288-M
(U4)DC-DCコンバータ:XC6202P502PR(12V→5V オペアンプ&D/Aコンバータ電源供給用)

ピンアサインの同じD/Aコンバータやオペアンプを高音質品に交換することで音質向上する可能性があるかも?


音量調整用抵抗
R7:YMF288ステレオ入力(左) 1608 130Ω
R6:YMF288ステレオ入力(右) 1608 130Ω
R5:YM2203Cモノラル入力 1608 0Ω(元回路がイヤホンジャック直付けだった為)
R3/R4:ステレオ音声をモノラルに変更するミキシング抵抗(1608 10kΩ)→内蔵スピーカーへ
YM2203C音声信号もここを通しているため元音量よりやや音量が小さくなる

YMF288側を元のYM2203C側の音量に合わせるために色々苦労しました。完璧に同じとはいえないまでも人間の耳では
分からないレベルで調音されていると思います。ヘッドホンなどの音量が物足りないなと感じたら、R6/R7抵抗を
より値の小さいものに交換してみてください。ただし、つられて内蔵スピーカー側の音量も変わりますので注意
まぁスピーカー側は音量をボリュームで調整できますので問題ないとは思いますが・・・

OPN3 CLUBはあくまでも「標準的なFM音源仕様」となっております。より高機能で高音質な音源を希望の方は
Cバスに別途好きなFM音源ボードを挿すなり、新たにPC-286Cに適合する音源基板を設計するなどをオススメします

色々な意味で皮肉(笑)