MPSロゴ PC-9801/21の特殊なITF-ROMの話 トップページに戻る
1992年後期~1994年前期の間に発売されたPC-9801/PC-9821シリーズのBIOS-ROM(いわゆるITF-ROM)には





・uPD27C4000D(NEC製UV-EPROM)
・uPD23C4000D(NEC製ワンタイムROM - マスクROM)
・TC574200D(東芝製UV-EPROM)

という16bit幅 4Mbitの特殊なROMが使われています。16bit幅4Mbitというと27C4096が有名(?)ですが
これらのROMとは互換性もなく、読書きできるROMライターも非常に限られるため現在に至るまでその扱いはある意味
「ブラックボックス」とされてきました(ごく少数でIDE-BIOSにパッチを当てて128GBに対応させた例があるだけです)

ITF/BIOS-ROMの記事についてはまりもさんのページ(PC-98のITF/BIOS のROMについて)に非常に詳しく
書かれていますので、当ページではそこには書かれてない「ちょっとした情報」を紹介していきたいと思います

uPD27C4000D/uPD23C4000D/TC574200Dを搭載したPC-98は
・PC-9801US
・PC-9801BX/BA/BX2/BS2/BA2
・PC-9821Ap/As/Ae/Ap2/As2
・PC-9821Be/Bs/Bp
・PC-9821Af/Bf
・PC-9821無印
・PC-9821Ce/Ce2/Cs2
・PC-9821Ts
です。同じ92年発売のPC-9801FA/FS/FXは従来通り16bit 1MbitのROMを2個使用、H98はよく分かりません

機種名を見ると完全に「ある時期」に発売された機種にのみ採用されたROMであることが分かります
この次の世代の機種(PC-9821An~)からはソフトウェアからの書き換えを考慮されたフラッシュROM(Intel PA28F200/400F)に変わります

ROMの中身については98識者にお任せするとして、各バンクごとの中身が機種によりどのくらい違うかをリストにしてみました

使ったソフト
ITF吸出し:GetITF98(入手法はググってください
CRC32取得:calcrc
※ただしGetITF98では4Mbit UV-EPROM搭載機は半分2Mbitまでしか吸い出すことができないため、それ以上は
該当ROMを吸えるROMライターを使用しています(フラッシュROM搭載機は4Mbit全部吸える)

CPU違いの兄弟機のROMデータは同じという前提で進めていきます(Ce2/Cs2のような兄弟機のフリをした別機種もある)

BANK BX/BA BX2/BS2/BA2 Ap/As/Ae Ap2/As2 Be/Bs/Bp Af Bf 備考
BANK 0 未所有 未所有 未所有 BFD1_00CC BFD1_00CC BFD1_00CC 未所有 機種依存
BANK 1 D056_2AF8 D056_2AF8 D056_2AF8 SOUND BIOS(4000h)
BANK 2 1281_8A14 1281_8A14 1281_8A14 SOUND BIOS(0000h)
SCSI BIOS(4000h)
SASI BIOS(7000h)
↑US/無印/Ceには無い
BANK 3 8CF9_CF4F 6C7C_B550 74BF_75BF IDE/SYSMENU
BANK 4 8F70_C6F6 F2E4_8B27 64DB_7A4F ITF MAIN
BANK 5 4E32_081E 4E32_081E 4E32_081E N88BASIC
BANK 6 6D16_0F28 F878_C160 7749_2530 SYSTEM
BANK 7 B6D0_15AB 1BD6_537B 81BD_C0C5 SYSTEM
BANK 8 空白 空白 空白
BANK 9 空白 空白 空白
BANK A BD1C_D2B5 空白 2B82_F7E5 ハイレゾITF?
BANK B 空白 空白 空白
BANK C 3124_E224 空白 D528_2091 ハイレゾIDE(6000h)
BANK D D132_0F74 空白 5DB3_9409 ハイレゾSCSI(4000h)
SOUNDとSASI BIOSは無い
BANK E ECDB_9067 空白 C84D_F5F5 ハイレゾSYSTEM
BANK F C5B6_70F3 空白 EF80_7820 ハイレゾSYSTEM

BANK US 無印 Ce Ce2/Cs2 Ts 備考
BANK 0 1B43_EABD 55B7_F3AE BFD1_00CC BFD1_00CC BFD1_00CC 機種依存
BANK 1 F2A2_62B0 F2A2_62B0 D056_2AF8 D056_2AF8 D056_2AF8 SOUND BIOS(4000h)
BANK 2 EB9E_116D 6B93_C29F 5A7A_FB00 1281_8A14 1281_8A14 SOUND BIOS(0000h)
SCSI BIOS(4000h)
SASI BIOS(7000h)
↑US/無印/Ceには無い
BANK 3 D8E9_E8BD C7BA_BDFD B168_5891 14EA_FF42(Ce2)
B177_BE6F(Cs2)
2E63_669D IDE/SYSMENU
BANK 4 7F2F_00F2 6B8B_6327 98C2_6D0E 273E_9E88(Ce2)
4A52_0D31(Cs2)
AF5E_BBAA ITF MAIN
BANK 5 4E32_081E 4E32_081E 4E32_081E 4E32_081E 4E32_081E N88BASIC
BANK 6 B09C_8382 47D9_02F9 3608_9498 6D16_0F28 D8C2_8956 SYSTEM
BANK 7 E679_0884 E925_0A00 B98B_45DA CDDC_C2FC EBC9_A2BD SYSTEM
BANK 8 空白 空白 空白 空白 空白
BANK 9 空白 空白 空白 空白 空白
BANK A 空白 空白 空白 空白 空白
BANK B 空白 空白 空白 空白 空白
BANK C 空白 空白 空白 空白 空白
BANK D 空白 空白 空白 空白 空白
BANK E 空白 空白 空白 空白 空白
BANK F 空白 空白 空白 空白 空白

この世代のPC-98にとってROMを書き換える最大の目的は「IDEハードディスクの容量制限撤廃」でしたが
現在では544MBの壁はIPLwareが、4.3GBの壁は各種ROMアプリケーションの登場により直接本体ROMに手を入れる
必要が無くなりました

書き換え可能なSCSI-BIOSを持つCバスSCSIボードに「ヤドカリ」する形で、各種パッチプログラムがまりもさんの
ページで多数公開されています→●システム上の制限を解除するソフトウェア

CバスSCSIボードにヤドカリするタイプは、ROMの空きスペースが限られている為にあまり大きなコードは置けませんが
4.3GB超のストレージを接続してもハングアップしないパッチ(Div0ROMパッチ)により、4.3GBまでは使用可能なので
現在のPC-98の使用用途からすると十分な容量だと思います